何年か前に、子どもの交通事故を防止するために「自転車に乗らない様に自治体が呼びかけた」なんて極端な話があったことを思い出した。これに対して、自転車の乗り方を学ぶ教室を開いた自治体もあった。乗らない呼びかけも良かれと思っての対応だろうが、危険な事を避け続けた先には、もっと大きな危険が待っているのではないかと思う。どんなことにも程度というものがある。
- 試行錯誤
子供が遊具でケガをした→ケガをしないように遊具を撤去する→受け身がとれない子どもが増える?とか、高齢で歩くのが大変になってきた→家族が車で送迎する→ますます歩けなくなる?など、問題の解決をしようとして試行錯誤しているうちに、なんだか課題の本質がわからなくなってしまうことがある。皮肉なことに一生懸命になればなるほどその傾向は強くなるような感じがする。いったいどこから狂ってしまったのか?なかなか気づけないのだが、論理的・線形的な考え方で一直線に突き詰め過ぎると「ケガするから運動禁止」のような、本末転倒という状態になりがちだ。皆さんの周りにもそんなケースがたくさんあるのではないでしょうか?
- 健康
健康は老いも若きも誰もが求めるものだが、高齢者大国である日本ではとくに健康ブームの色合いが強い。テレビは健康がテーマの番組だらけだし、健康法や健康グッズ、サプリメントなどがあふれかえっている。鎌田實先生は講演で、健康オタクほど不健康だと言っていた。健康の為の運動もやり過ぎになる傾向があるし、いくら体に良い食べ物でも食べすぎは禁物だ。さらに行き着く先は、「健康のためなら死んでもいい」という心理になると言い、笑い話のようだが本末転倒だ。
- 補助金
新規事業や創業の時はだいたい資金が不足しているので、資金面の悩み相談が多い。だから補助金や助成金が気になるのは当然だ。しかしそれが行き過ぎて、いつの間にか補助金獲得が最優先課題となってしまうケースがあるがこれは困りものだ。例えば、従業員を雇えば補助金が貰えるから、まだ必要ないのだけれど採用しようか?なんて感じである。雇うということの責任が認識されていない。補助金や助成金は補填なのであって儲けが出るわけではないので本末転倒だ。
- 非線形思考
本末転倒と感じられる例を挙げてみたが、これらは、○○をすると○○がおきる、そうすると○○になるはず・・・と言ったような直線的発想から生まれることが多いのではないだろうか。数字や過去の事例などから物事を論理的に予測することは大切なことだが、あまり直線的に捉え過ぎないように注意が必要だ。物事はそんなに単純ではないし、人は感情の動物なので、気分次第で判断がどうなるかわからないからだ。だから、いくつかの方法を考えて、さらにもう一工夫。脇道に行ってみたり、バックしてみたり色々試してみたい。
急がばまわれ!は交通安全の標語ですが、問題解決についても意外とそんなものかもしれませんね。
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