コラム

Column

税金のペナルティーについて

質問「税金の申告で間違いがあった場合等に発生するペナルティーについて、具体的な内容を教えてください。」

昨年も芸能人の無申告や、大手企業の従業員による使い込み等がニュースになっていました。このような場合に追加の納税が発生すると、税金のペナルティー(「附帯税」といいます。)も発生します。今回は附帯税の種類とその概要を紹介させて頂きます。

(1) 附帯税の種類

期限までに納税しなかった場合
・利子税
・延滞税
申告した税額が少ない場合
・過少申告加算税
期限内に申告しなかった場合
・無申告加算税
源泉所得税の納付が遅れた場合
・不納付加算税
悪質な過少申告や無申告の場合
・重加算税

(2) 利子税・延滞税

いずれも期限内に納税出来なかった場合にかかる利息のようなものですが、利子税は事前に適切な手続きがされた場合に発生するもので、いわゆる利率も低くなります。
これに対し、延滞税は手続き等がなく期限を過ぎた場合に発生するもので、いわゆる利率も高くなります。
例えば令和元年の法人税では、利子税は年1.6%ですが、延滞税は年8.9%(最初の二か月だけは2.6%)となります。

(3)過少申告加算税

申告書は提出したものの、その税額が少ない場合にかかります。
加算税の金額 = 追加納付額×10~15%
なお、税務調査の通知等がなく自主的に修正すれば、過少申告加算税はかかりません。
また、調査の通知後でも自主的な修正申告をした場合は、5%~10%に軽減されます。

(4)無申告加算税

税金の申告には期限があり、申告が期限に間に合わない事もあります。このような場合には以下の無申告加算税がかかります。
加算税の金額 = 申告税額×5~20%
期限は過ぎたものの自主的な申告をした場合は5%(一か月以内の遅れにはかからないケースもあります。)となりますが、調査等により多額の未納税額が明らかとなった場合は最大の20%となります。

(5)不納付加算税

源泉所得税が期限までに払われなかった場合に発生するものです。
加算税の金額 = 納付不足額×10%
ただし、期限から1か月以内に納付していて、過去1年間に納付の遅れがない場合は免除され、自主的な納付の場合は5%に軽減されます。

(6)重加算税

申告した税額が、納税者やその従業員が行った仮装・隠ぺいにより少なく申告されていた場合や、無申告だった場合にかかります。
加算税の金額 = 追加納付額×35~40%
また、過去5年以内にも無申告加算税や重加算税が課されていると、加算税率は更に10%上乗せとなります。(前述の無申告加算税にもこの上乗せ制度があります。)
その他にも以下のような事に繋がりかねないため、適切な申告を心掛けましょう。
・青色申告の取消
・短期間で次の税務調査となりやすい
・延滞税の金額増(除算期間なし)

(7)少額の場合

そもそも加算税が1,000円未満等の場合には切捨てる等の救済措置もあります。

以上となりますが、できればこれらのいずれにも縁がない経営を心掛けたいですね。

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おかげさまで20周年。これからも地域の課題解決のために頑張ります!
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執筆スペシャリスト

野澤 和也
パートナーズプロジェクトグループ
パートナーズプロジェクト税理士法人
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野澤 和也
税理士の野澤和也です。 相続対策、事業承継、組織再編、M&Aが得意です。 パートナーズプロジェクト税理士法人と 一般社団法人 相続と遺言の相談センターに 所属しており、税務だけでなく相続対策の経験も豊富です。
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