Q. 私は個人事業者として毎年確定申告をしています。2020年は新型コロナウイルスの影響により給付金など多くの支援策がありました。
税金に関する取扱いや特例など、確定申告での注意点を教えて下さい。
A.
新型コロナウイルスについては、税金に関する様々な取り扱いが公表されています。今年の確定申告では、主に以下の内容にご注意ください。
(1)給付金・助成金等の課税
・課税されるもの・されないもの
主な給付金の取扱いは以下のとおりです。
所得税 | 給 付 金 の 種 類 |
①課 税 | ・持続化給付金 ・雇用調整助成金 ・家賃支援給付金 ・休業要請に係る協力金 ・コロナ融資の利子補給 ・GOTOキャンペーン事業における給付金 |
②非課税 | ・特例定額給付金 ・子育て世帯への臨時特別給付金 ・新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金 |
①の給付金は、事業所得や一時所得、雑所得の収入に含めて申告する必要があります。申請する際にかかった手数料などは経費として収入から差し引くことができます。
②の給付金は非課税となり、確定申告で収入金額に含める必要はありません。
なお、いずれの給付金も消費税は不課税となります。
・収入の時期
上記の給付金等の収入時期は、以下の2通りが考えられます。
①確定通知のあった年 ・持続化給付金 ・家賃支援給付金 |
②対象の経費と同じ年 ・雇用調整助成金 ・コロナ融資の利子補給 |
①は確定通知のあった年の収入になりますので、確定通知をご確認ください。②は経費補填が目的のもので、収入と対象経費を同じ年に申告する必要があります。
例えば、雇用調整助成金の場合、2020年中の給料に対するものは、同年中に入金が確定しないときでも、申請に基づいた収入額を申告する必要があります。
なお、上記の収入時期については、今後の国税庁等の公表により取り扱いが異なる可能性があります。
(2)チケットなどの払い戻しの放棄
文化芸術やスポーツイベントなど一定の行事が延期や中止などになった場合、入場料金等の払い戻しを放棄したときは、その金額は所得税の寄付金控除の対象になります。
適用には、主催者から交付を受けた証明書が必要になります。
(3)入居が遅れた中古住宅のローン控除
購入した中古住宅に増改築を行い、住宅ローン控除を受ける場合、購入日から6月以内に居住する必要があります。しかし、新型コロナウイルスの影響で工事が遅れ、居住できなかったときは、工事の契約が一定日以前に締結されていて、他の要件を満たしていれば、控除の適用を受けることができます。
適用には、入居時期に関する証明書が必要になります。
(4)白色申告者の繰越欠損金
白色申告を行っている方は、発生した赤字の繰り越しに制限がありますが、2020年の赤字のうち、新型コロナウイルスの影響による食材の廃棄損や感染防止のための費用などによるものは、2023年まで繰り越して所得との相殺ができます。
詳細は税理士にお問合せください。