昔であれば、オレオレ詐欺や振り込め詐欺のように電話による詐欺が主流であったが今はメールやショートメッセージ、SNSなどあらゆる手段で怪しげな情報が届く。被害者アンケートでは、自分だけは被害に遭わないと思っていた人が約8割だという。自分だけは大丈夫という思い込みが危険である。
大手企業や通信会社、金融機関などの実名を語った詐欺などは、本当に悪質である。不正ログインがありました・・・とか、アドレスをハッキングした・・・などのインターネットにおける危機感をあおる詐欺はIT弱者が標的になっているようだ。ネットバンキングの不正送金被害も急増しており、個人情報がすでに盗まれていてもすぐには気づかない可能性もある。
- 大人の読解力とIT活用
数年前に発表された国際成人力調査(PIAAC)では日本が世界1位という結果であった。成人力とは知識の量ではなく、知識や情報を活用して課題を解決する力であり、社会への対応能力を測るのだという。例えば「食品の値札を複数見て加工日を判断する」とか「ホテルの電話の説明を読んで操作方法を解答する」といったような設問だ。3分野の調査項目のうち読解力と数的思考力は一位だったのだが、ITを活用した問題解決能力は10位だった。原因はパソコンの操作が難しく回答できなかった人が4割近くいたからである。つまり日本の大人は諸外国に比べて読解力はあるが、ITに弱いということになる。
- 子どもの読解力とIT活用
大人ではなく子どもについては、15歳の学習到達度調査(PISA)の最新の結果では、読解力は前回の8位から15位と順位を大きく落としている。SNSなどの影響で若者が短文や絵文字のやり取りに慣れ、長文を読み込む力が落ちていることが一因ではないかと言われている。文章から情報を探し出したり、信ぴょう性を判断したりする問題の得点が低かったという。また、授業でのデジタル機器の活用度合いはOECD加盟国で日本は最下位だという結果であり早急な対策が必要だ。つまり、子どもの読解力は低下傾向で、デジタル活用でも後進国となりつつあるということである。なんと、大人も子どもも国際比較ではデジタル弱者となりそうで心配である。
- デジタル化と詐欺
令和元年の暮れに新たなデジタルガバメント実行計画が閣議決定された。マイナンバーカードを全国民に普及させることや、9割の諸手続きをネットで完結するというような内容である。個人はマイナンバーカードやマイナポータルとマイキーIDを使ってデジタル化を進め、法人ではGビズIDなどを使って手続きを進めるようだ。政府でも民間でもネットでの手続きが主流になるのだろうが、国民の理解が追い付いていないように感じる。理解できていないと詐欺など見分けることもできない。デジタル社会の実現にはデジタル弱者・IT難民への対策を講じないとデジタル詐欺被害大国になってしまう。真面目で人を信用する日本人・・・そんな国民が安心して暮らせるような世の中を望みたい。
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