経営者として人生をどのように過ごすのか。
われわれ日本人の考え方が多様化しているなか、新たなライフスタイルとして注目されているのがFIREです。缶コーヒーの名称でもプロレスラーの決まり文句でもありません。FIREとは、経済的な自立を実現させて、仕事を早期にリタイアすることです。気がつけば、経営者人生二十年、齢五十一歩手前の私にはリアルな選択肢として響きます。
昨今、平均寿命が延びて一生にかかる費用が増えているため、働く期間を長くして収入を増やすという考え方もあります。逆にFIREは早期リタイアを前提としています。横文字でイケてる生き方だなあと感じる反面、働き続けることを前提に考えている人からすると、早く仕事をやめると生きがいを失ってしまうのではないか、老後資金が不足するのではないかと不安に思うかもしれません。
確かに私もここ1年ほどでFIREの相談(アラフィフの方々が多い)に出くわすことが多くなりました。
私は「人間、好きな仕事なら辞めたくないはず。お金の損得だけで好きな仕事を放りだすのは愚かです。逃げるとやめるは違います。仕事があるのは人に必要とされているからです。それでも辞めたきゃ、税理士としてお金の損得の話だけしますね」と返しています。
ちなみに私はいまの仕事は好きです。必要とされているうちは続けたいなと。