コラム

Column

感染症への対応手順

新型コロナウイルスの影響はすさまじく、感染拡大によりほんの数日で状況が変わっているので常に対応手順を見直し続ける必要がある。業種によってはいきなり売上が8割減などの状況となり、体力の弱い中小企業にとっては短期間で経営危機となる恐れもある。また、何から手をつければいいかと悩む経営者も多い。そこで中小企業の対応手順について主に4つのステージで対応を述べてみたい。

 

  • 【第1段階】初期段階の取り組み

感染拡大防止への取り組みは、換気や検温、手洗い、消毒等を徹底し予防することや、会議や研修、出張等の抑制などの対策を決定することである。職種によってはテレワークやウェブ商談、ビジネスチャット等への取り組みも必要である。テレワークなどを活用する場合は助成金の検討も可能である。予防対策や出張、業務に関する方針はホームページで公開するケースもある。そして社内で感染者や濃厚接触者が発生した場合の当社の対応ルールについて作成しておくことが大切である。

 

  • 【第2段階】影響拡大期の取り組み

業績の予測は難しいが予算の見直し、特に資金繰りが重要となる。この資金繰りに関しては一時的には役員貸付等で対応し、さらに不足であればコロナ対策融資を検討することになるだろう。幸いかつてないほど融資の環境が整えられている。金利や据え置き期間など条件を確認して自社に合った借り入れを選ぶことになる。売り上げの減少を示す書類を持参して早めに対処すべきだと考える。資金の目処がついたら収益を確保する手法の模索や経費の削減などに注力する。さらには、営業時間や日数の縮小、投資の延期採用の見合わせなども考えられる。

 

  • 【第3段階】影響深刻期の取り組み

影響が深刻となってきたレベルである。店舗や工場などの休業を実施せざるを得ない場合には雇用調整助成金を検討することになる。資金的に余裕がなくなれば保険の契約者貸付なども検討できる。現在はゼロ金利など極めて優遇された状態となっている。そして税金や年金保険、民間の保険料等の納付を猶予依頼することも可能だ。そして、臨時雇用者の削減や賞与の減額、正規雇用者の給与カット等が考えられる。もし処分可能な資産があれば売却の準備をしておきたい。

 

  • 【第4段階】影響甚大期の取り組み

自社の力だけでは難しくなる段階であり、取引先や株主・親族等への支援要請を検討したい。取引金融機関等への追加融資の要請も必要になるだろう。いくつかのシナリオを想定しながらリストラの検討、支援企業や救済企業も探し始めなければいけない。仮に追加融資が難しい場合は借入金の条件変更、つまり返済猶予も必要となるかもしれない。この場合は認定支援機関を通じて経営改善支援センターに相談することになる。

 

今回の新型コロナウイルスで認識させられた事は、企業は災害のみではなく様々なリスクにさらされているということである。幅広いリスクを想定した事業継続計画を準備しておくことが望まれる。特に相互支援を行う取引先を見つけておくことが体力の弱い中小企業にとって必要ではないでしょうか。

 

 補足資料 
以上の対応手順をわかりやすくイメージ図にしてあります。また、【第1段階】でお伝えした
社内向け対応ルール「対策基本方針」についてのひな形を用意しましたので、ご活用ください。

【PDF】新型コロナウイルスへの中小企業の対応手順イメージ(4/9更新版)

【PDF】売上減少比率別要件一覧(4/8更新版)

【Word】新型コロナウイルスに関する対策基本方針(従業員向け)

【PDF】新型コロナウイルスに関する対策基本方針(従業員向け)

コロナ関連まとめサイトはこちらから↓
https://san-niigata.com/news/1393/

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おかげさまで20周年。これからも地域の課題解決のために頑張ります!
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執筆スペシャリスト

藤井 英雄
パートナーズプロジェクトグループ
パートナーズプロジェクト税理士法人
藤井 英雄
税理士の藤井英雄です。 事業承継支援、起業・創業支援、相続・贈与相談等が得意。 常にバランス感覚を持ってお客様と接することを大事にしています。 多角的な視点での提案をさせていただきます。 経営相談はお任せください。
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