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決算公告

会社法では決算公告が義務付けられており、約8割の企業がその方法を官報としています。

東京商工リサーチのデータによれば、2021年の1月~12月の間に官報に決算公告した株式会社は4万154社で、上場会社等を除く、全株式会社のわずか1.5%にとどまることがわかりました。

会社法では決算公告の義務を怠った場合、100万円以下の過料という罰則規定が定められていますが、適用されるケースはほとんどありません。また、官報へ掲載するには費用がかかることも決算公告が進まない一因と考えられます。

インターネットで取得できる商業登記の代表者住所は今年9月から非表示となる見通しで、代表者の資産把握の困難性が指摘されます。経営者保証ガイドラインでは、経営者保証に依拠しない動きも加速していますが、決算公告などの情報開示が適時適切に行われることが前提であるということは言うまでもありません。

取引の安全性を高めるために公告を義務付けるという目的には、理解できる点がありますが、費用負担や公告手続きの労力負担は、中小企業にとって決して軽いものではありません。

公告の制度自体が、実体と乖離しているため、もう少し実態に合った制度への検討も今後必要ではないかと考えられます。

執筆スペシャリスト

清水 勝康
パートナーズプロジェクトグループ
パートナーズプロジェクト税理士法人
一般社団法人創業・承継・M&Aの相談センター
清水 勝康
公認会計士、税理士の清水勝康です。 組織再編、事業承継が得意です。 経営に関する悩みはお任せください。

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