これまでのコラムでは、経営理念や社員参加の経営を目指す場合の前提となる仕組みづくりの話に触れてきました。
企業である限りはとにかく利益を確保することが必要で、これがすべての源泉であることは誰も異論はないと思います。それには売上と荒利益を伸ばしていくことにつきます。
経費の圧縮も大切なことではありますが、これに大きく期待することは難しく、逆に人件費は給与、賞与のみならず待遇面をトータルで改善する必要があります。最低賃金も上がっていますし、就業規則と休日、休暇や残業の取り扱いを見直すべきです。
我々会計事務所はそれぞれの企業の業界の事に精通していませんし、皆さんの会社の商品の知識も十分ではありませんので、どうしても数字で判断しがちな傾向があります。それも過去の数字です。それで効率経営を進めたりしますと、ややもすると縮小均衡に陥りやすくなります。
それも必要な場合がありますが、企業としては売上の拡大にこだわるべきであると考える人も多く、私もそう思います。それでないと組織に活気が出てこないと考えます。そのためには、業界の動向を探ること、そして自社の商品に対する取り組みをどう変えていくか、例えば商品を変えるのか、売り方を変えるのか、など。
例えば、会計事務所と一口に言っても中身の仕事の進め方やその内容は、事務所によっては大きく違います。外からは同じに見えても以て非なるものです。ましてや異業種であれば、すべて違うことに気がつくことが多いです。その方向をどうするかはトップの仕事ですが、幹部社員と話し合いをして、大きな方針を決めていくべきだと思います。
そのためにもまずお客様の声を聞いて、その声と会社の方向が一致しているかどうかを常に自問して必要な修正を行うべきです。また、対外活動に参加したり、外部人材などの関係強化や外部の組織には大いに参画して情報収集に努めるべきだと考えます。
令和4年9月