コラム

Column

相続争いのいろいろ

私は、税務署に47年勤務し資産税(相続税)を続けてきましたので、登録後も相続専門の税理士として勤務させていただいています。

その中でいろいろの相続争いを見てみますと、被相続人は全て自分の死後、相続人間で争いなく遺産を円満に協議分割してほしいとの願いで生前にいろいろと相続対策をされています。

しかし、現実を見ると遺産が多く、特に預貯金が多い方には争いが少ないように見受けられる一方、遺産が少なく不動産の割合が多い相続ほど、相続争いが多いように見受けられます。それは、虎の子の不動産の協議分割で揉めることが多いためです。誰か代表相続人が「俺が全てを相続し、各人に相応の代償財産として現金を支給する」と言う人がいればまとまるのですが、なかなか上手くいきません。それとは逆に遺産が多いと、相応の預貯金を分家や嫁に行った人に渡し、後は全て家を継いだ人が相続するで、まとまるようです。

その次に相続争いが出るのは、遺産の額ではなく人間関係によるものです。最初の相続(一次相続)は、配偶者と兄弟姉妹での相続人のため配偶者の意見が強く反映され、割と円満に相続がまとまりやすいです。争いが出るのは次の相続(二次相続)で兄弟姉妹での相続の時、兄弟姉妹のそれぞれの家庭の事情が出てきて(それぞれの配偶者の意見等)どうしても他人の意見が加わり揉めるもとになるようです。人の情としては、血縁よりも身近な今の家族との絆が強く欲が強く出てきてしまうように思われます。

これも相続争いの種になるのですが、被相続人が相続対策として相続人やその家族に生前贈与を行うのですが、同居親族や特定の親族のみに贈与をし、偏った贈与のために遺産分割協議で不平不満が出て揉めることになります。従いまして、被相続人自ら相続争いの種を撒くような相続対策をするのではなく、生前贈与をする場合はできる限り相続人(その家族を含む)全員平等になるように生前贈与をすることをお勧めします。また、贈与をしたことを家族に隠すのではなく、できる限りオープンにすることで争いがなくなりますので、ぜひ、お勧めします。

以上、相続争いについて述べてきましたが、相続争いは各相続人の物欲の表れで生じるものです。争いを起こさないためには、隣人愛に基づき気持ちを穏やかに保ち、相手の言うことを良く聞き、穏やかに話し合いをすることに心がけていただきたいものです。

最後に、相続争いのない円満な相続であれば私どももスムーズに業務が遂行できます。

執筆スペシャリスト

小野塚 康之
パートナーズプロジェクトグループ
パートナーズプロジェクト税理士法人
小野塚 康之

お問い合わせ・ご相談 Contact us

以下のメールフォームより、
お問い合わせください。
SAN事務局よりご連絡させていただきます。

コンタクトフォーム