いつのまにか過去の話になっている新型コロナウイルス騒動。
私の事務所もご多分にもれずなんだかんだと振り回され、個人的にも一時期は極度に辟易していた。だがそんな騒動が収束しふと思い返すと、自らの経営を見直すきっかけになった気がする。
とくに「人材」と「品質」について深く考える機会が多々あった。
「人材」については、いままで自己嫌悪や人間不信に陥るほどの経験もあった。コロナ禍では見たくない人の本質も垣間見えた。一方でコロナ禍を一緒に乗り越えいまも一緒に働いているスタッフとは本質的に分かり合えた気がする。彼らには心底感謝しており、彼らの存在が私にとっての運の良さを実感させてくれた。「自らの組織そしてお客様にとって正しいこと」をやっていればスタッフは理解してくれるものだといまは確信が持てている。
私は先生と呼ばれ崇められるような優秀な人間ではない。地盤があったわけでもなく二代目でもない。だからこそ、自分より優秀な人間を採用し多様なお客さまのニーズに応えるべく組織を作ることに尽力してきた。その要諦は、人との縁・信頼関係を大切にし、そのうえで「考え方」を共有することにあった。加えて、その人との縁を有意義に続けるためには、スタッフとのキャリアプランの共有・実現とフェアな評価が必要だと考え、その実現に向けて努力を続けてきた。スタッフとの信頼関係の構築には有言実行が何より優先すべきであることもコロナ禍で学んだ。いまの私は、血縁に頼らず「考え方」でつながった経営をこの地域や業界に遺したい一心で仕事をしている。
「品質」については、コロナ禍で妥協しそうになることもあったが、開業当初から私が考える本当の顧客満足を追求することが間違っていなかったと確認できた。私は、開業当初からお客さまとの縁を大切にしてきた。お付き合いいただいているお客さまにはできる限り恩に報いたいと考えてきた。だから誰よりも品質にこだわることにした。具体的には、適時性・正確性・親密性を担保した高品質なサービスの提供を経営目標に掲げいまも続けている。私や私の事務所をよく知らない方の大半は、「若くて勢いのある事務所だが、品質は二の次なのだろう」という評価を下すことが多い。だからこそ見返したい気持ちが強く品質にこだわった。私の事務所においては、品質よりも規模や量が優先されることは永遠にない。
私は2006年に開業した。かれこれ18年になる。いまは新潟に帰ってきて本当に良かったと感じている。それは、新潟で生まれ育ち新潟という風土が好きで新潟の事業者が好きだからだと思う。
私の事務所の経営理念は、「従業員の物心両面の幸福を追求し、いかなる状況においても感情豊かにお客さま本位のサービスを提供する」と掲げている。これこそが、私が苦心の上、行き着いた現時点の成果(考え方)である。これからもこの理念を守り、お客さまとスタッフのために最善を尽くしていきたい。
◆講師プロフィール◆
税理士法人近藤まこと事務所
近藤 信
<得意分野>
①経営改善支援
②事業承継支援
③組織再編
④農業経営支援
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