こんにちは!コンサルタントの山倉です。
こちらの記事では、春から新入社員を迎えるにあたり、人財育成のヒントをお伝えさせていただけたらと思います。
経験学習のサイクルはご存じですか。
人財が成長するためには、この経験学習のサイクルが大切です。
<経験学習のサイクル>
1.経験(Experience) – 実際に経験する
2.内省(Reflective Observation) – 経験を振り返り良かったことうまくいかなかったことを内省
3.概念化(Conceptualization) – 振り返りをもとにうまくいく方法のルール化、概念化
4.実践(Action) – 概念化したルールをもとにを実践する
この4つのステップを繰り返し、繰り返し回していくことが、経験をもとにした人財育成に効果的となります。
少し事例を見てみましょう。
<ものづくり現場での経験学習のサイクルによる成長ストーリー>
1.経験
ある日のこと、今年入社した田中は自動旋盤の担当として部品の加工をしていた。
しかし、あるロットでいつもより多くの不良品が発生した。寸法がわずかにずれており、厳しい品質基準をクリアできない。
「なぜだ……? 昨日までは問題なかったのに……」
田中は機械の設定を再確認し、測定器を使ってチェックしたが、原因が分からない。不良の発生が続くと生産計画にも影響するため、焦りが募った。
そこへ現場リーダーの佐藤がやってきた。「田中、どうした?」
「このロットだけ不良が増えているんですが、原因が分からなくて……」
佐藤は田中と一緒に製品を確認し、「一度、昨日と今日の違いを整理してみよう」と提案した。
2.内省
田中と佐藤は、不良品が出た製品と正常品を比べ、加工条件や使用工具の違いを振り返った。
「そういえば、今日から新しい刃具を使っています。でも、型番は同じですし……」
「型番が同じでも、わずかな誤差や摩耗の影響で加工精度が変わることもあるぞ。」
さらにエンジニアの山本も加わり、工程のデータを分析した。すると、新しい刃具の切削抵抗が微妙に上がっていることが分かった。
「なるほど……切削抵抗が上がると、材料の変形が増えて寸法が狂う可能性がありますね。」
こうして、刃具の違いが問題の要因かもしれないと気づいた。
3.概念化
「じゃあ、どうすればこの問題を防げるか?」田中たちは考えた。
- 新しい刃具を導入する際は、試作やテスト加工を実施する。
- 切削抵抗の変化をリアルタイムでモニタリングし、基準値を設定する。
- 定期的に加工精度を測定し、異常が出たらすぐに対策を打つ。
これらの考えをもとに、新しい刃具を導入する際の標準作業手順を見直すことにした。
4.実践
田中は、すぐに試作テストを実施し、刃具ごとの切削抵抗のデータを収集した。さらに、モニタリングシステムを活用し、リアルタイムで変化を捉えられるようにした。
1週間後、新しい刃具を使用しても不良率が低下していることを確認。加工精度のバラつきも改善された。
佐藤は満足そうに頷いた。「これで、新しい刃具を導入するときも安心だな。」
田中は達成感を感じつつ、「こうやって経験から学ぶことが大切なんですね」と実感した。
いかがでしょうか。実際に今年に入社した田中さんは成長とともに、経験学習の大切さにも気づいていただけたように感じます。
このように人財育成には、経験学習のサイクルを回すことが欠かせません。
また、その中で、上司が経験の機会を提供し、内省を促すために、1on1等の面談の場や実践を促す一言も大切なポイントになります。
人手不足が叫ばれる昨今において、より良い人財を育成することで、
このピンチをチャンスに捉え、事業成長につなげていただけますと幸いです。
人材育成について過去にコラムを投稿しておりましたので、
こちらもご参考いただけますと幸いです。
【人財育成の基本と原則】人手不足の中での育成のポイント
(グローカルマーケティングwebサイトより)
https://glocal-marketing.jp/column/standardrule_yamakura/