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給付金等の税務上の取り扱い

Q.  当社は新型コロナウィルス感染症の影響え事業継続に支障をきたしているため、持続化給付金や雇用調整助成金の受給申請を検討しております。これらの給付金は税務上どのように取り扱われるのか教えてください。

A.
受け取った給付金等については、原則として法人税の課税対象となります。ご質問の「持続化給付金」や「雇用調整助成金」といった給付金も同様です。
新型コロナウィルス感染症の影響が広がる中、企業を支援するため様々な給付・補助制度が公表されています。給付金の取り扱いについて確認してみましょう。

 

【ポイント】

1 原則的な取り扱い

受け取った給付金等は、収益として計上されます。給付金等を含めて黒字決算であれば法人税・所得税の課税があり、赤字決算であれば課税はありません。
また、消費税については課税対象取引に該当しませんので、消費税の課税はありません。

 

2 給付金等の収益計上時期

給付金等は、原則として受け取ることが確定した日が収益計上のタイミングとなります。具体的には支給決定の通知書等が届いた日が判断の基準となります。
給付金などの多くは申請してから支給決定・入金までに数日から数週間ほど時間がかかるものですが、申請日時点では収益計上となりません。

 

3 収益計上時期の例外

雇用の維持・促進のための経費補填の給付金等には注意が必要です。
上記のとおり、収益計上のタイミングは原則、給付金等を受け取ることが確定した日となりますが、雇用保険法等で定められた一定の助成金(雇用調整助成金など)は取り扱いが異なります。
例えば雇用調整助成金の場合には、休業をさせた日が収益計上日となります。決算日時点で助成金の申請前であっても、金額を見積もって計上することが必要となります。申請ばかりに注意がいってしまいがちですが、決算の際には計上漏れにご注意ください。

 

4 補助金により設備投資をした場合

補助金を受け取ってその目的に適合した機械等の設備投資を行った場合には、税務上の優遇措置があります。
圧縮記帳という制度で、受け取った補助金の範囲内で機械等の取得価格を減額し、その減額した金額を経費として計上することができます。これにより補助金の収益が相殺され、受け取った補助金に対する税負担が軽減されます。
ただこの制度を使うと、将来の減価償却費が減少してしまいます。税金の「免除」ではなく「課税の先送り」であることに注意が必要です。

 

5 おわりに

新型コロナウィルス感染症の事業への影響は甚大であり、国や地方公共団体から様々な支援制度が公表されています。事業を継続させ、更に発展させるためにこれらの制度の活用をぜひご検討ください。

執筆スペシャリスト

藤井 英雄
パートナーズプロジェクトグループ
パートナーズプロジェクト税理士法人
藤井 英雄
税理士の藤井英雄です。 事業承継支援、起業・創業支援、相続・贈与相談等が得意。 常にバランス感覚を持ってお客様と接することを大事にしています。 多角的な視点での提案をさせていただきます。 経営相談はお任せください。
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