今回は地方公共団体の職員の皆様に向けて、公務員の告発義務に関する情報をお伝えしたいと思います。私がかつて地方公共団体で勤務していた頃、告発義務に悩む方々が多かったことを思い出します。そこで、告発すべきかどうかの基準について考えてみたいと思います。
まず、公務員は職務を遂行する中で犯罪が疑われる場合、刑事訴訟法に基づいて告発する義務があります(刑事訴訟法239条2項)。しかし、犯罪が疑われても告発すべきか否かについては悩ましい問題があります。告発すべきかどうかは、犯罪の重大性、犯罪があると思料することの相当性、今後の行政運営への影響などを総合的かつ慎重に検討して判断するものとされています。
しかしながら、犯罪があると思料することの相当性についての調査が不十分であると、
国家賠償法上違法と判断される可能性があります。
したがって、客観証拠に基づき、犯罪の有無を十分に調査することが重要です。
怪しいからといって軽率に告発することは避けるべきです。
犯罪があると思料された場合でも、告発をしなくても良い場合があるとする見解もあります。
例えば、行政目的の適正・円滑な達成のために設けられている行政的な取締罰則に基づいて
告発をしたためにかえって行政目的の達成が阻害されるような場合や、告発が当該公務員の属する行政機関にとって、行政目的の達成(又は行政運営)に極めて重大な支障を生じ、その不利益が告発をしないで当該犯罪が訴追されないことによって生じる不利益よりも大きい場合、また、告発により地方公共団体の重大な利益を害する場合などです。
ただし、告発が義務である以上、公務員の裁量により告発しなくても良いということにはなりませんので、ご注意ください
※本コラムは、過去のYoutube動画コンテンツの文字起こしを実施し、ChatGPTでコラムを作成した上で、講演者に添削していただいたものです。
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◆講師プロフィール◆
弁護士法人青山法律事務所
柴澤 恵子
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自治体法務
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