シェアと聞くと昭和生まれの方は、まず業界や製品などのシェアである占有率を思い浮かべるのではないだろうか。年齢が若くなるにつれて、シェアは共有的な意味での使われ方となり、時代の潮流の一つとしてシェア経済社会が浸透してきたように感じる。シェアの広がりは、提供する場と代金回収や提供者を評価するしくみが整ってきたからだと言われている。このことはエンドユーザーをメインに商品や製品、サービスを提供してきた企業に特に影響を及ぼすものでビジネスプランの軌道修正が必要になりそうだ。利用者同士が直接つながりあうということは、スマホがライバル相手であり、逆に共感を得られればスマホは営業マンになり得るということになる。
- 所有から共有へ
所有経済が長年続いた結果、空家のような遊休資産や、都会の車のような低利用資産が生まれ、その活用方法として民泊やカーシェアリング等の試みがなされた。身の回りものでは例えば、子どもができたら、以前はベビーカー、机、洋服など新しく用意することが普通だった。そして、兄弟へ「お古」として活用され、さらに親戚にも近い世代の子どもがいたりして身内の範囲内で有効活用されてきたように思う。言うなれば身内シェアが成り立っていた。しかし、少子化の現代では、身内シェアが成り立ちにくく、ライフステージの変化に応じて必要なものは必要な時期だけ持つという考え方が広がってきたようだ。いずれは売却するという前提で購入するという思考だから新品である必要もない。たまにしか使わないものは、複数の利用者で共有するという考え方も広がりつつある。若者はフリマアプリでの売買が日常の行為になっている。自分のモノを必要とする人へとシェアしてゆくというスタイルは、環境にも財布にもやさしいからますます支持されるだろう。
- 時間やスキルのシェア
資産だけでなく、家事や育児、大工仕事など得意分野を持ち時間のある人が、困っている人へ能力を提供しあう社会が生まれつつある。また語学やスポーツ、カルチャーなどの学びのマッチングも行われている。他人の時間や能力をシェアするという感覚である。これから働き方改革で時間に少し余裕ができて、さらに副業についても条件付きで容認するような状況が広がれば、この流れはさらに広がるだろう。人は必要とされることが生きがいになると言うが、誰かの役に立って、その上ご褒美にお小遣いが入ればこれほど幸せなことはない。
- 夢のシェア
人が注目するようなアイデアや企画などやりたいことがあれば、クラウドファンディングで、広く一般の賛同者からお金を集めることも可能である。個人でも団体や会社でも共感を得られるような企画であればチャンスがあり夢をシェアするような感覚を持つことができる。アイデアはあるが資金は不足している創業者などにとっては可能性が広がる話である。
情報はもちろん、物もスキルも時間もシェアする時代、喜びも悲しみもなんでもかんでもシェアである。ここまでは良いのだが、夫や妻、子どもまでシェアにならないか心配になってくるのは私だけでしょうか?
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おかげさまで20周年。これからも地域の課題解決のために頑張ります!
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