3億円の財産もあるが、借金も3億円ある佐藤さん、財産は2千万円だが、借金はない鈴木さん・・・、もし、人生で自分の置かれた状況を選択できるなら、佐藤さんと鈴木さんのどちらを選ぶ人が多いのだろう。多い名字ランキングトップ2の例なのでドキッとした方がいるかも。
さて、皆さんはこの問いに即答できるだろうか?そもそも資産家なのはどちらなのだろうか?借金については普通なら他人にはわからないので、他人から見た表面上の資産家は佐藤さんだろう。でも正味の純粋な資産家という意味では鈴木さんになる。
- バランスと未来
佐藤さんの立場で言えば3億円の財産の中身が、預金なのか、不動産なのか、株式なのかなどバランスもとても気になるところである。換金のしやすさや価値変動のリスクがあるからだ。そして3億円という借金の額に尻込みしてしまう人も多いかと思う。しかし考え方を変えれば、佐藤さんには自分プラス担保価値で3億円を借りられるだけの信用力があると捉えることもできる。これはかなり凄いことである。選択次第で未来への影響も変わってくる。もし、自分自身の人生だけの選択であれば佐藤さんを選ぶ方も多いのかもしれないが、もしそれが相続で子ども達に引き継がれると考えたら鈴木さんへと心は揺れるのではないだろうか。
- 自己資本比率
会社で考えると、経営分析の指標に自己資本比率というものがある。これは、会社の資産の総額に占める純粋な自分の財産の割合という意味である。だいたい、標準は2割で、目標は3割という感じである。創業時は資本金でスタートするので自己資本の比率は100%である。しかし、会社が動き出すと、自分のお金の比率は下がってくる。例えば資本金が100万円なのに1千万円の借り入れをしたら、いきなり自己資本は1割以下になってしまう。
会社が成長する過程では資産の規模は膨らんでゆくが、自己資本は利益を貯め続けていかないと増えないので溜まるスピードはゆっくりである。だからもし純資産額が多く、自己資本の比率も高い会社があるとすると利益体質を長年継続していることになるから信用が高いというわけである。
- 実感との差
1億円の純資産がある会社の方に、「資本金が1千万円ですから、創業から○○年で10倍になりましたね」と言うと、「そんなお金はないよ」いう話になる。たしかに自己資本分がそのまま金融資産で残っているケースはまれである。1億円は債権、在庫、固定資産などに形を変えて残っていることになるから実感はないのだろう。逆に、純資産がなくても困っていないケースもある。代表者や役員からの借入金があるからである。これは第2資本金のような存在である。さて、お金の話をしてきたが、不透明な時代なので将来への不安感を抱く人が多いと思う。やっぱり、自分のお金と借金の適度なバランスを自ら見つけるしかないようである。
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