前回のコラムでは、経営理念で顧客満足の追求を掲げ、そのために社員満足の向上を図るべきだと書きました。そのために収益を上げ続けなければならないと、社員に説明し理解してもらうことが必要とお伝えしました。
顧客満足や社員満足と、利益の追求は、相反するものではありません。利益を上げなければ、昇給も賞与の支払いも、借入返済も税金支払も内部留保もできません。
そこで、どうやれば利益を上げられるかを社員一人ひとりに理解してもらい、徹底してもらわなければなりません。
売上や粗利益はいくら確保が必要か、経費はいくらかかるか、そして会社としていくら利益を上げなければならないか。そのためにどのようなビジネスモデルを作り、どう行動し、どう工夫すれば他社と差別化できるのか。
そのためのヒントは、ボトムアップで現場社員の声を直接聞き、経営に反映させることにあると考えています。
トップダウンも必要ですし、私自身そうしてきた場面も多々あります。しかし、それのみでどんどん進めて成果が上がる市場環境ではすでになくなっています。一旦構築したビジネスモデルも、昨今の環境変化から軌道修正や見直しを余儀なくされたケースも多いのではないでしょうか。
社員にも、現場レベルで業務を行う中で、様々な気付きやアイディアがあります。社員が経営に参加して、現場レベルで様々な工夫をし、社員間でも知恵を共有することで、経営者 1 人だけでは思いつかないこともできるようになります。
次回は社員参加の経営の仕組みづくりをお話しします。
令和 4 年 7 月